プロテインを飲むと痩せる?“プロテインを理解し効果的に活用する方法”
「プロテイン」とは日本語で「タンパク質」のこと。
ギリシャ語の「πρωτειος(プロティオス=最も大切なもの)」に由来する言葉です。
たまに、トレーニングやダイエット経験のない人、プロテインを摂ったことがない人などから
『プロテインで筋肉ムキムキになる?』
『プロテインを飲めば痩せるんでしょ?』
と聞かれることがあります。
100%間違いではありませんが、プロテインを摂取するだけとなるとどちらも不可能です。
トレーニング経験者なら一度は飲んだことがあるくらい馴染みのあるプロテインですが、間違った認識で摂り続けると“オーバーカロリー”なんてことになりかねません。
今回はそんなみなさんのために、
“プロテインを摂取する目的”
“プロテインにはどのような種類があるか”
“それぞれの効果や選び方”
“摂取タイミングと摂取量”
をご紹介します。
目次
- ○ プロテインは何のために飲む?
- ・筋肉を増やす
- ・筋肉を維持する
- ・ダイエットに活用することもできる
- ○ 最適なプロテインの摂取タイミング
- ・タンパク質の吸収
- ・タンパク質は分割して摂る
- ・プロテイン摂取例(食事から摂るタンパク質も含めて)
- ○ どう決める?代表的なプロテイン3種類の選び方
- ・1. ホエイプロテイン
- ・2. カゼインプロテイン
- ・3. ソイプロテイン
- ○ 最適な摂取タイミングとプロテインをチョイスし効率良く身体を作る
プロテインは何のために飲む?
“プロテイン=タンパク質”は、炭水化物・脂質と並ぶ3大栄養素の1つで、筋肉・臓器・皮膚・骨・髪の毛などの主要成分であり、身体の機能を調整するホルモンなどの材料でもあります。
そして筋肉は、水分を除くと約80%がタンパク質からできています。
すなわちタンパク質がなければ筋肉が増えないのはもちろん、1日の摂取量が少なければ筋肉が減少してしまいます。
筋肉を増やす
では、“筋肉を増やしたい場合”は1日にどれくらいのタンパク質摂取量が必要なのでしょうか?
トレーニング強度や頻度によっても変わりますが、だいたい【体重1kg×2〜2.5g /日】のタンパク質が必要と言われています。
体重60kgの人なら1日に120g〜150gのタンパク質を摂る必要があります。
筋肉を維持する
日頃からスポーツやトレーニングを行わない人は意識的にタンパク質を摂取しなくてもいいのでしょうか?
筋肉の80%がタンパク質からできているということは運動をしていない一般的な人も同様ですので、タンパク質摂取量が少なければ筋肉量は減少していきます。
筋肉量を維持するという目的でもタンパク質を意識的に摂取する必要はあり、目安としては【体重1kg×1g /日】を摂取すると良いでしょう。
ダイエットに活用することもできる
“プロテインを飲めばムキムキになれる”
“プロテインを飲めば痩せれる”
こんな簡単に理想が手に入ればどんなに楽でしょう。
現実は甘くなく......
筋トレや運動を行ない、タンパク質をしっかりと摂取することで筋肉量が増える。その結果として、脂肪を燃焼しやすい身体を手に入れることができるのではないでしょうか。
トレーニングや運動なしには理想は手に入りませんし、プロテインはあくまでも栄養の補助に過ぎませんので、日頃の食事からタンパク質摂取を意識することが大切です。
最適なプロテインの摂取タイミング
トレーニングを始めて間もない人やプロテイン初心者の人が疎かにしがちな摂取タイミング。
自身もトレーニングを始めて間もない頃は、“1日3杯飲めばOK”ぐらいの感覚で、摂取タイミングなどは全く気にしていませんでした。
現在は、摂取タイミングを意識するだけで、筋肉のつき方や成長速度が変わることを実感しています。
タンパク質の吸収
一度に吸収できるタンパク質の量は20gと言われています。
ですので、タンパク質を意識した食事を摂った直後にプロテインを飲むことは良いタイミングとは言えません。タンパク質を過剰に摂取してしまうと消化器官の負担になるばかりか、カロリーオーバーとなり太ってしまう原因となります。
いくらタンパク質といっても、身体が余計だと判断すれば脂肪へ蓄積されます。
タンパク質は分割して摂る
では、どのタイミングが最適と言えるのでしょうか?
個々人のライフスタイルに左右される部分が大きいですが、1日3回の食事を基本とするとタンパク質が枯渇しそうなタイミングは......
“就寝中”
“起床時”
“朝食〜昼食間”
“昼食〜夕食間”
が考えられます。
トレーニングを行なう人であれば、トレーニングの60分〜75分ほど前とトレーニング後30分を目安に摂取すると良いでしょう。
プロテイン摂取例(食事から摂るタンパク質も含めて)
トレーニングありの場合の1例
【目安量:体重65kg×2g=130g /日】
P:プロテインのみ表記
【朝食】:目玉焼き1個(P7.4g)+卵焼き卵2個分(P14.8g)
【間食】:プロテイン(P18g)
【昼食】:鶏肉,100g(P22.3g) or 牛肉,100g(P26g)
【トレ前】:プロテイン(P18g)
【トレ後】:プロテイン(P18g)
【夕食】:鶏肉,100g(P22.3g) or 牛肉,100g(P26g)
【就寝前】:プロテイン(P18g)
合計:138.8〜146.2g
習慣的にトレーニングを行なう人であれば、トレーニングしない日でも筋肉の合成は行われていますので、変わらないくらいの摂取量を意識してもいいのかもしれません。
どう決める?代表的なプロテイン3種類の選び方
1. ホエイプロテイン
ホエイプロテインは「プロテインといえばこれ!」と言われるほど代表的なプロテインです。
ホエイプロテインの原材料は「ホエイ(乳清)」という牛乳の成分です。
母乳の成分に近いとも言われるホエイプロテインは、低カロリーながら栄養分が豊富です。
また身体への吸収が早く、摂取したあと2時間ほどですべて吸収されてしまうほど。
そのため運動直後に摂取し、筋肉の疲労回復や修復などを行うのが効果的な使い方です。
ホエイプロテインにはBCAA(分岐鎖アミノ酸)という身体を作るのに不可欠なアミノ酸が含まれています。
BCAAはバリン・ロイシン・イソロイシンという3種類のアミノ酸の総称。
これらは運動で疲労した筋肉の回復に大きな効果があります。
また、運動前に摂取することで筋肉の分解を防ぎ、筋量減少を抑えることも可能です。
BCAAは乳製品からしか摂取できません。
そのため、十分な量を摂取するにはプロテインサプリを利用するのが効率的です。
2. カゼインプロテイン
ホエイプロテインに次いで代表的なプロテインの種類は、カゼインプロテインです。
カゼインプロテインもホエイプロテインと同じく原材料は牛乳の成分です。
カゼインプロテインはチーズやヨーグルトなどを固めるために使われていました。
ホエイプロテインが水溶性であるのに対し、カゼインプロテインは不溶性。
固まりやすく、水にも溶けにくいのが特徴です。
一度飲むと体内で固まって満腹感が持続するため、
「運動後はつい食べ過ぎちゃう!」
という方の暴食防止・リバウンド防止にもオススメできます。
また腸のぜん動を抑え食べ物の進行を遅らせることで、栄養吸収率向上効果もあります。
カゼインプロテインの身体への吸収はゆっくりで、7時間程度かかると言われています。
そのため就寝前に摂取することで、睡眠中の栄養補給に利用できます。
また、ホエイプロテインと一緒に摂取することで吸収速度の違いが生まれます。
それにより運動直後の身体を補修し、かつゆっくりと身体を作る効果が得られるので、トレーニングの効果が一層アップするでしょう。
ホエイプロテインとカゼインプロテインをベストなバランスで配合した商品も発売されています。
お好みに応じて使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
3. ソイプロテイン
ソイプロテインは名前の通り、大豆を原材料とするプロテインです。
比較的身体に吸収されにくく、摂取すると吸収するのに5時間~6時間ほどかかります。
そのため、摂取しながら運動を行うことで、筋肉を維持しつつ脂肪だけを燃焼させやすくします。
プロポーションを維持しつつ運動能力も低下させたくないという方にオススメです。
ソイプロテインにもBCAAが含まれているため、トレーニング後の疲労回復にも利用ができます。
ただ、ホエイプロテインほどの含有率ではありません。
また他のプロテインに比べて脂肪分が少ないのも特徴のひとつ。
そのため、トレーニングオフの日や就寝前に摂取しても脂肪がつきにくいというメリットもあります。
また、ソイプロテインにはイソフラボンが含まれています。
これは女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをし、更年期の女性に嬉しい効果が期待できます。
他のプロテインとは違う独特の風味が好みの分かれるところではありますが、味つきのものなど、好みに合った飲みやすいものを選ぶと良いでしょう。
最適な摂取タイミングとプロテインをチョイスし効率良く身体を作る
今回はプロテインに関しての基礎知識や摂取タイミングについて紹介しました。
摂取タイミングは、1回の吸収量を意識しつつそれぞれのライフスタイルに合わせて取り入れてみましょう。
プロテインのチョイスは、それぞれに異なる特徴を持っていますので、摂取する目的に最適なプロテインを選び、より健康的で効率的なトレーニングを目指していきましょう。